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昨日、友達のやってるバーに久しぶりに行きました。引っ越してから遠くなってしまって、ご無沙汰していたのであった。深夜2時頃まで爆飲み。朝から二日酔いであった。あほだ。いい歳して。
それはともかく、友達(マスター)のもってるレコードコレクションを見られたのは幸いであった。ルー・リードがあんなにLPを出していたとは知らなかった。何よりラフ・ドレード系のコンピレーションものLPが何枚かあって、ひっくりかえるようなメンツに狂喜したのでした。さっそく借りたい。あれはすごい、うん。 コンピレーションものって、LP時代にはそんなになかったですね。こっから前回の続きになるんですけど、LPってのは必ず途中、つまりA面とB面てのがあって、A面からB面へ行くためにはひっくり返さなくてはならなかった。間合いがあったわけですね。レコードを製作する側も、もちろんその間合いを意識していた。 ものすごおおおおく単純化すると、LPってこういう構成になっていた。全8曲と仮定して。 A面 1曲目 そのアルバムを象徴する曲。一番力が入っているです。シングルカットされることも多い。 2曲目 1曲目からの勢いを引き継ぐ曲。でもシングルカットするほどでもない、みたいな。ただし、1曲目がイントロ的な作品の場合は、2曲目がシングルカット用ってのもある。ビリー・ジョエルの「ストレンジャー」みたいなね。。 3曲目 クールダウンな曲。短いものが多い。そのアーチストにとって、ちょっと実験的なことをやってたりする。 4曲目 B面に興味を引き継ぐため、重くて長い曲が入っていることが多い。名曲って、このへんにあったりする。ツェッペリンの「天国への階段」とか、クリムゾンの「エピタフ」とかね。ルー・リードの「ワイルドサイドを歩け」とか、みんなA面最後の曲。パティ・スミズの「ピッシング・イン・ザ・リバー」もそうかな。 B面 1曲目 A面のほてりを冷やすような、割と軽いさらっとした曲が多いような気がします。がらっと雰囲気が変わって…みたいな。 2曲目 ここもわりとへんてこな曲が入る。 A面の3曲目みたいな。 3曲目 バラード系多し。エンディングへのイントロ、みたいな。 4曲目 こてこての大曲が多い。リンダ・ロンシュタットの「サムワン・レイダウン・ビサイド・ミー」みたいな。 なんとなくぴんときませんか? 思い当たる節もあるらむ。 LP1枚で約40分、A面で20分、B面で20分。そういう小宇宙というか、物語の枠、みたいなものが構成されていたわけですね。LPという商品、つまり産業の枠組みが、結果的にアーチストの音楽の内容をある程度規定していたってことはあると思います。 もちろん、作曲するときに、「次はA面の3曲目作ろう」ってやっていたとは思えない。もっと自発的なものだったと思う。しかし、最終的にファンの前に発表されるのはLPという形式だったわけであって、「これはA面1曲目にはならんけど、3曲目だったらアリだよね」とか、「これってちょっと今までのうちのとは違うけど、B面あたりにいれとこうか」みたいなのはあったはずです。 さて、こうやって「ポップスのLP黄金時代」みたいなのが70年代から80年代にかけて構築されていき、いろんな曲がカラフルに産み出されてきました。 産業の枠組みと、創作の枠組みがうまい具合にシンクロしていたって感じでしょうか。 しかし、そういう産業と芸術の蜜月みたいなものは、CDの登場で変質してきます。 CDはご存じのとおり、裏返す必要がない。スタートしたらいっきに60分いっちまいます。いや、70分はいくか。 おそらく、LPという枠組みに慣れたアーチストはかなり困惑したと思われます。だって、今までのような「A面B面宇宙観」は通用しない。新たな「1面70分」という世界が開けてしまったわけですから。 結論からいうと、この「1面70分」という世界は、一部のテクノ系だらだら音楽をのぞいて、LPのような音楽の多様性を深化させる方向を見いだせませんでした。むしろ、平板化させたきらいがあります。 もうめりもはりもなく、延々と曲が続く。それも1時間。 1時間って、長い。集中して音楽を聞く時間を超えている。 「1時間? 短いだろ? コンサートだって、2時間ふつうじゃん」って声が聞こえてきます。コンサートについてはまた別で語りますが、あれは「聞くもの」であると同時に、「見るもの」であって、情報量が全然違う。だから退屈しないんですね。 CD全盛となるとほとんど同時に、音楽のテンションがさがってきます。CDが売れなくなってきた。日本だと、どうでしょう、宇多田ヒカルの「It is automatic」(でしたっけ?)、あのころが頂点じゃないのかな、売り上げの。爆発的ヒットってものがなくなった。 もういっこ、コピー技術が向上して、素人耳にはCDとほとんどかわらないようなクオリティで複製できるようになった。MDですね。あれ、ほんとに音が悪いんですけど、ふつうの人が聞く分には平気です。 デジタル→デジタルがダメなら、デジタル→かぎりなくデジタルに近いアナログで充分じゃん、ってことになります。 だって、コピーは無料だから。 CDという音楽産業に新たな地平もたらしたデジタル技術が、結果的にCDを駆逐していくことになります。また、「ものとしての価値」もCDは希薄でした。取扱いが簡単なぶん、愛着がわかない。 たとえばLPと、それをコピーしたカセットの違いって、天と地です。「カセットに録音したもらったけど、やっぱりオリジナルを買おう」ってLPを購入する気持ちって、あった。でも、MDにコピーしたら、CDはいらないって感じでした。ギャップが小さい。CDというものに対する執着が生まれにくかったことも、CDが売れなくなった原因だったのでしょう。 というか、CDも「途中のメディアである」ってことを、大衆は無意識に敏感に感じていたと思う。「もっともっと、便利になるはずだ」だってね。そのとおりになりました。 そう、ipodなどの、「完全デジタル」の世界の出現です。 (この項続く)
by 42_195km
| 2009-09-13 17:47
| 絶滅する音楽
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