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ついに行ってまいりました、山下和仁ギター・リサイタル。東京は紀尾井ホールです。
まずはセットリストから。 無伴奏チェロ組曲 第1番(バッハ 山下和仁・編) 夜との語らい~山下和仁のために(藤家渓子) 貝の歌、石の歌~山下和仁のために(藤家渓子) (休憩) アイルランド民謡(藤家渓子・編)夏の名残のバラ ファンタンジェ・ソプラ・メロディエ・インディアネより(ガネシュ・デル・ヴェスコボ) 交響曲第9番『新世界より』第2楽章「ラルゴ」 第三の靴(愛陽) これに、アンコール曲が3曲。えーっとなんて曲だったかって? すみません、聞いたことのある曲ばかりでしたが、タイトルが浮かびません。どなたかお詳しい方、教えてください。 山下和仁の本格的なリサイタルは何年ぶりだろうか。えーっと、やっぱりはじめて見た、(伝説の)名古屋リサイタル…になるのかな。その間も何度も見ていますが、いずれも山下和仁+バンビーニ(山下の子供たち)のコンサートで、山下ソロは本当に久しぶりです。 ここ数年はおもに海外でやっていたみたいです。山下にとっても、「日本のみなさん、長らくお待たせしました!」ってところでしょうか。 で、どうだったか? うーん、残念ながら、名古屋リサイタルのときのような熱狂と感動には今回は至らなかったです。もちろん、「ラルゴ」は素晴らしかったですよ。あの1曲を聴くだけでも、十二分に価値はあります。バッハの無伴奏もうれしい驚きでありました。 でも、小さな声で言いますが、藤家渓子と愛陽の作品は、やっぱり…えーっと…いかんのではないでしょうか? もちろん、山下和仁のリサイタルなのですから、山下自身が曲を選ぶ権利があるというか、彼以外に選べる人はいない。それはよくわかっています。受け入れなくてはいけない。っていうか、人それぞれであって、藤家や愛陽の曲を評価する人もたくさんいるに…というのはやはり無理ですね。無理だ。 藤家渓子は山下の奥さんです。尾高賞もとったことのある現代音楽の作曲家です。僕は彼女の曲を山下の演奏でしか聞いたことないですが、歳を経るにして、つまんなくなってきているような気がします。 全体に、「ゆるく」なってきている。彼女自身がロマンティックで、ナイーブなのはけっこうなのですが(パフレットの文章を読むとよくわかる)、それがそのまんま曲に出ているというか、厳しさがぜんぜんない。 藤家の曲はまだ、いいです。退屈だけど、なんとか聞ける。 でも、最後の愛陽の曲になると…。うーん、敬愛する山下和仁であるから、これ以上は言いたくないというか。とても残念でありました。 愛陽とは、山下和仁の長女です。12歳。ギターもよく弾きます。 12歳にしてこれだけでの曲を?という驚きはある。たとえ母である藤家渓子が関わっていたとしても、です。 でも、それだけでしかないような気がするなあ、やっぱり。 少なくとも、アンコールに弾くならまだしも、リサイタルの最後、それも感動の「ラルゴ」の次に、矢継ぎ早に演奏するような曲でしょうか? 観客は正直なもので、「ラルゴ」で緊張の頂点に達していた会場が、「第3の靴」(愛陽の曲)がはじまると、ひとつ、またひとつと「?」の文字が宙にぷかぷかとあちこちに浮かび、曲が進むにつれて結びつきがほどけてゆくというか、「早く終わってくれないかな状態」になってしまったのでした。 山下は最近、家族による音楽に凝っているそうです。奥さんは作曲家だし、子どもたちもギターを弾きます。ほほえましい。とくに愛陽ちゃん(っていうか)と山下のデュオはなんかお父さんメロメロな感じでよい。 でも、そういうのは…。 やめておきましょう。いろんな考え方があるのだと思う。僕は何度か山下の家族音楽を見聞きしていますが、少なくとも「よし、次もぜひ見てみよう」という気には、いまところはならないです。 さて、否定的なことばかり書いてきましたが、山下のギターそのものは、圧巻です。とくに「ラルゴ」。2度目ですが、またもや落涙です。あんまりにもきれいだから。 現代音楽を中心に、いままで何千という音楽を聞いてきましたが、山下のラルゴがその頂点にあります。 チケットの売れ行きがよほどよかったのか、3月4日の金曜日に追加公演があるらしい。同じ紀尾井ホールです。 ラルゴ、聞きにいってください。 これまでの演奏と違っていたところといえば、「演奏する前に指を見なくなった」、でしょうか。僕がこれまで見てきた山下和仁のリサイタルでは、どの曲でも必ず、弾き始める前に両手の指の先をじいいいいいっと見つめるんです。気を溜めているというか、そういう感じ。儀式のよう。 今回のリサイタルではそれが一回もなかった。どうしてかな? 山下和仁は今回も、一言もしゃべりませんでした。まだ一度も彼の肉声を聞いたことがない。カナリー・ホールで山下和仁+バンビーニのデビューコンサートを見に行った時も、奥さんばかりがしゃべっていて、ステージ上でにこにこしているだけであったような記憶があります。 休憩をのぞいて、2時間あまり、会場を満たしていたのは、音楽だけでした。 言葉は、一言も発せられなかった。
by 42_195km
| 2010-02-11 23:15
| 音楽三昧
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