「フリーフォームチェア」で有名な家具デザイナー、内田繁のデザインの軌跡をたどるインタビュー集。印象に残った言葉を記す。
「芸術家というのは、直観的に日本文化の本質を見抜くのです。水平感覚とは、日本文化を考えるうえで最も特徴的なものなんです」(アルド・ロッシとの対話に基づく)
「家具がもっているほとんどの役割を建築的に成立させているのが日本の茶室だろう」
「日本の道具(家具)は仕舞っておくことが大切で、籠りの期間も重要です。神輿の宮出しを想像すればわかりやすいとおもいますが、籠っている間に神の呪力が宿るというふうに考える。宿っているというこてゃ、それを出した瞬間に輝くわけです」(「始末」について)
「日本の家具は、襖に代表されるように、閉じておくことが基本ではない。むしろ襖は開けておくための方法なんです」(ガストン・バシュラールを引用しながら)