「どろ亀さん」こと高橋延清は白州正子との対談を通じて知った。これはどろ亀さんのはじめての著作。
何をやるにしても、どろ亀さんは現場主義、体験主義のやり方を重んじてきた。この方法は人の何倍も苦労する要領の悪いやり方である。でも、生きものの生態を調べる場合、本や図鑑を先に読んだり見たりすると、知識が先立って、先入観があって、さまざまな現象を見ても感動や不思議だという好奇心が湧いてこないものである。また、大きなへっけんを見逃す場合がある。無垢から始めて、さんざん苦労してたくさんの疑問をかかえて、その後に図鑑や文献を調べたり、その道の権威者に聞くことがよいと、どろ亀さんは信じている(「生きものの中へ」より)
身につまされる文章だ。なんでもかんでもすぐにネットで調べてしまうもんな。反省しよう。自分で思考し、疑問を育む力をときとして知識を得ることが奪う場合がある。ですよね。