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2回目です。村上春樹だからってんじゃなくて、気に入った本は何度でも何度でも読み返します。
あれですね、おそらくはフカエリと天吾は兄妹なんですね。父は青豆に殺されたリーダー。 え? そんなの最初に気づいてたって? ごめんなさい。しかし、「猫の町」って物語は素晴らしいですね。ああいう「迷い込みもの」って好きです。「プリズナーナンバー6」とかね、「エペペ」みたいなね。 さて、今回読んであらためて思ったんですが、村上春樹って徹底的に現代日本をディストピアとして描いていますね。都会っぽいとかって言われていますが、その都会っぽさを憎んでいるようです。ユートピア方面に行かない。そのまんまの中でふうふうと苦しんでいる人間を描いています。 そう思うと中上健次や大江健三郎の描いた世界って、ユートピアですよね。熊野にしたって、四国の山奥にしたって。そこには都会、もしくは現代には失われた(本来はとても価値があった…という幻想が前提にあります)ものが残っているっていう発想。で、いずれも古代(とやら)につながっている。 自然の中には尊いものがあるという観点は、今のエコ信仰につながっていきます。エコ信仰って、ナチズムと関係していますね。純粋指向というかね。このあたりはえっと、誰だっけかな、なんとかっていう建築評論家が書いていたな。名前失念。 エコ信仰とスピリチュアル系と仲が良いのもよくわかります。いずれも純粋指向ですね。汚れたものを忌避するという。食べ物なんかね、絶対に添加物入っているものを食べないとかって。精神においても、そう。「光」で汚れを焼きつくしてしまいたいというイメージ。スピ系のサイトを見ると、なんだかピカピカと光っています。闇なんかどこにもないっていう感じ。 縄文指向なんかも近い。岡本太郎は縄文の造形に美を見ました。それはわかる。でも縄文の造形に精神とかを見出しはじめると危険な方向に行きます。そんなもの、現代の日本で通用するはずがない。通用させるには、生き方を大きく縄文系にシフトさせる必要があります。カルトの扉まで、もうすぐって感じです。 「トポス」って言葉が流行りました。そういう場所の特殊性、みたいなものってたしかにあるでしょうけど、それはすぐに、人の特殊性や時間の特殊性につながり、そういう状況にまみえることができた自分、もしくは自分たちを選民っぽい感じでとらえるようになってしまうような気がします。 村上春樹はそういう能天気かつ、であるからこそ危険な、ユートピア的な世界観をもちあわせていないようです。 「自然」なんて、どこにもないってことだと、思います。僕もそう思う。
by 42_195km
| 2009-11-29 19:04
| 本三昧
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