メモ帳
現在、カテゴリーを作成中です。
カテゴリ
全体 僕たちはこんな 音楽三昧 美術三昧 世の中のこと 相場 本三昧 絶滅する音楽 映画三昧 weather report 走ること 北海道 北海道へ脱出計画 音楽三昧 ピアノを弾こう Music and Art 記事ランキング
最新のトラックバック
以前の記事
2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 01月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
「たべる しゃべる」 高山なおみ
うちの奥さんのために図書館から本を借りてきます。料理関係のエッセイとかが多い。僕もけっこう好き。高山なおみはよく見る名前。そうですか、クーネル系ですか。Ku:nel系。いつの間にかうちにいっぱいある。たしかKu:nel作ってる人って、あの雑誌作ってた人でしょう? えーっと、あれですよ。あれ。忘れた。まあ、いいや。雑誌は売れてなんぼだし。 高山なおみはなんか暗い。ふつう料理系の人たちの本って「食べるってこんなに素晴らしい!」とか、「畑の命をもらいました!」なんていうか、そういうなんつうですか、明るいっていうか、命のわきおこり、みたいな感じつうか、多い。 もしくはスピリチュアル系。自然なんとかとかね。オーガニックって。うちも基本オーガニックでほぼ添加物のない食生活をしていますが、それがどうしたっていうのか? 身体と精神を過度に(っていうかてきとーに)一元化させるとあっという間にスピリチュラーの出来上がりである。商売商売。癒し系ビジネス。 高山なおみはちょっとそういうのとは違うなあ。クールです。うん、自分の行為にたいしてクールですね。おそらく夫の影響も大きいのだろう。たとえばこういう発言。 「みい(注:高山なおみのこと)は、普遍的に料理がうまいわけじゃなくて、レストランの人が、お客さんに出す料理が上手みたいに、雑誌とか本に載せる料理が得意ってことじゃと思う」 うーん、こういう風に自分のことを評されたら、ショックっていうかですね、クールにならざらるを得ない。で、そこでふんばってのこれですから、良い意味でアート(っていうかまあ)になっているような気がしなくもないし、それは本来の料理の内容とは関係のないことなのかもしれない。 なんでここまでこだわるかというと、この人のタダものでなさ加減というのが、いしいしんじとその妻の家で料理を作る場面に現れている。 料理を作り終え、なんだか私は、普段よりもうんと上手に、研ぎ澄まされたようにやっていた感じがありました。それは、ふたりのおいしがり方を聞きながら作っていたせいもあるけれど、どうもこの家の台所に、そういう力があるような気がするのです。(中略) 「食いしん坊の猫の神さまに守られているからな」と、いしいさんがぽつりと言います。 「え?」と私はキョロキョロ。園子さんが、「もう、いるんです。高山さんの料理も、さっきから食べたいニャーって言ってるんですけど。お客さんがいるから今日はダメって言っているんです」 もしかして、1階の木工所に、のら猫たちが住みついているのでしょうか。 「旅行の時は、皆を連れていくのでたいへんです」。猫が何匹もいて、他にはロバと、キリンとコウモリと、豚もいる、。「毎日いっしょに、皆でごはんを食べているんです。うちは、猫がいろんんな恵みを運んできてくれてるんです」 いしいさんのホームページの日記には、「まぼろしの猫」というのがよく出てきます。本物の猫なのか、想像の産物の猫なのかわからないままに読んでいましたが、私には見えないだけで、いつでもここにいるのだそうです。 「園子さんは、そういうことが大事なんですね」と私が言うと、すかさずいしいさんが、「僕も大事です」、猫たちは園子さんの連れ子みたいなもので、ふたりが一緒に暮らすようになってから、他の動物たちも少しずつ増えてきたそうです。 このくだりを読んで、高山なおみの勘のするどさに慄然としました。わかる人にはわかりますよね? 他にとりあげられている人たち。 カトキチ&アム 永積タカシ 丹羽史彦 吉田昌太郎 斎藤圭吾 有山達也 川内倫子 川内倫子は別格として、Ku:nelとか、Arne系っていうか、その周辺の人々でありますね。今の40代、50代あたりの、スピリチュアル系世代(わしもふくむ)の時代は静かに終わりのときを迎え(まだやってる人いますけど)、彼らの時代になりつつありますね。ある意味で、とても内向的です。「生活」って言葉から受ける印象がかなり違うと思う。 われわれの世代は「生活」っていうのは、地味で、貧乏くさい言葉ってイメージでしたよね。「生活臭がなくていい」とかって。無印世代なんですよね。無印とスピリチュアルってよくあうんですよね。 でも、いまのそのあたりでは、「生活」って言葉が、むしろよいことば、かっこいい言葉となりつつあるって感じがしますね。みんなはコンビニ弁当食べてるけど、わたしは手作りおにぎりよ、みたいなね。掃除機じゃなくて、箒ではきますとか。 あと、日本、ですね。海外のものはほとんど見ない。北欧系がちらっと入るくらいで、アメリカなんてぜんぜん出てこないよね。まあ、しょうがなと思う。ばっちりと税金あげて、高福祉政策にしないと、ほんとにぼろぼろになる。 それはともかく、日本。アメリカ的な合理主義でも、ヨーロッパ的な装飾主義でもない、日本のモダニズム、みたいなものがようやく生活の中にあらわれてきたんだじゃないかなって気がしています。
by 42_195km
| 2010-09-11 16:15
|
ファン申請 |
||