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<内部被ばく>県外原発で働く福島出身作業員から相次ぎ発見
毎日新聞 5月21日(土)2時36分配信 東京電力福島第1原発の事故後、福島県外で働く同県出身の原発作業員から、通常ならめったにない内部被ばくが見つかるケースが相次いでいる。大半は事故後に福島県に立ち寄っており、水素爆発で飛散した放射性物質を吸い込むなどしたとみられる。周辺住民も同様に内部被ばくした可能性もあり、福島県内の一部自治体は独自に検査を検討している。【日下部聡、石川淳一、町田徳丈、袴田貴行、池田知広】 ◇事故後立ち寄り…内部被ばく4766件 経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が16日の衆院予算委員会で明らかにしたデータによると、3月11日以降、福島第1原発を除いた全国の原子力施設で、作業員から内部被ばくが見つかったケースが4956件あり、うち4766件はその作業員が事故発生後に福島県内に立ち寄っていた。柿沢未途議員(みんなの党)の質問に答えた。 保安院によると、体内からの放射線を測定できる機器「ホールボディーカウンター」による検査で、東電が内部被ばくの目安としている1500cpm(cpmは1分当たりに検出された放射線量を示す単位)を上回った件数を電力各社から聞き取った。1人で複数回検査を受けるケースがあるため、件数で集計した。1万cpmを超えたケースも1193件にのぼった。 いずれも福島第1原発近くに自宅があり、事故後に家族の避難などのために帰宅したり、福島第1、第2両原発から他原発に移った人たちとみられる。 柿沢氏によると、北陸電力志賀原発(石川県)で働いていた作業員は、3月13日に福島県川内村の自宅に戻り、数時間滞在して家族と共に郡山市に1泊して県外に出た。同23日、志賀原発で検査を受けたところ5000cpmで、待機を指示された。2日後には1500cpmを下回ったため、作業に戻ったという。 取材に応じた福島第2原発の40代の作業員男性は第1原発での水素爆発以降、自宅のある約30キロ離れたいわき市で待機していた。その後、検査を受けると2500cpmだった。「大半が(半減期の短い)ヨウ素で数値は(時間の経過で)下がると思うが、不安だ」と男性は話す。 同県二本松市には「市民から内部被ばくを心配する声が寄せられ」(市民部)、市は乳幼児や屋外作業の多い人などを選び、県外のホールボディーカウンターで内部被ばくの有無を測定することを検討している。 ◇内部被ばく◇ 呼吸や飲食などで放射性物質を体内に取り込み、体内から放射線を浴びること。体外からの外部被ばくに比べ継続的で危険が高い。体表から10万cpmを超す線量を検出すれば放射性物質を洗い落とす「除染」が必要とされるが、東電は内部被ばくの恐れがあるとする目安を、ホールボディーカウンターで1500cpm超の場合としている。大量の内部被ばくはがんになるリスクを高める一方、時間と共に排せつされ、排せつも含めた「半減期」は成人ではヨウ素131で約7日、セシウム137で約90日。 ◇扉ゆがむ棟「そこで食事すれば体に入って当然」…福島第1の作業員 福島第1原発で作業拠点となっている免震重要棟は、3月に起きた1、3号機の水素爆発で扉がゆがみ、放射性物質が一時入り込みやすくなっていたという。40代の作業員男性は「そこで食事しているから(放射性物質は)体に入っているでしょう」とあきらめ顔だ。「『ビール飲んで(尿で体外に)出しゃいいよ』って感じですよ」 ◇空気中線量高く機器測定不能に 今月現場に入った作業員男性(34)は内部被ばくの検査態勢の不十分さを懸念する。「周りのほとんどは検査を受けていない。特に20代の若手が不安がっている」。東電は3カ月に1回の定期検査のほか、恐れのある時の随時検査を定める。だが今月16日現在、検査したのは全作業員の2割程度の約1400人、このうち結果が確定したのは40人にとどまる。最も高い線量を浴びた作業員は240・8ミリシーベルトで、うち39ミリシーベルトは内部被ばくだった。 東電によると、同原発のホールボディーカウンター4台は空気中の放射線量が高すぎて正確に測定できず、使えるのは福島第2原発といわき市の東電施設、柏崎刈羽原発の3カ所のみ。今後増設するとしているが、内部被ばくした場合、作業に従事できないのが通例だ。県内のある下請け会社社長は「このままでは福島の作業員が大量に失業する可能性がある」とも懸念する。 以上です。 もう全体がむちゃくちゃつうか、東電馬鹿すぎるんですけれど、とくに頭抱えるのはこのところです。 同県二本松市には「市民から内部被ばくを心配する声が寄せられ」(市民部)、市は乳幼児や屋外作業の多い人などを選び、県外のホールボディーカウンターで内部被ばくの有無を測定することを検討している。 おいおい、それって一地方自治体が独自でやることか? 国がやることじゃないのか? 「風評被害を防ぐ」の美名のもとに、放射能関連の実態が激しく隠ぺいされているような気がする。いや、もしかすると隠ぺいすらされていないのかもしれない。 「隠ぺい」とは隠すこと、すなわち一部ではすでに明らかになっていることを意志をもって公表しないことをさす。つまり、前提として、「事実が明らかになっていること」、がある。たとえば「震災以降の東京都の区ごとの放射線量はどうか? 東京都民の内部被ばく状況はどうか?」という問いがあったとする。知りたいですよね? 僕も知りたい。 政府は隠しているのか? 都は隠しているのか? そうかも、しれない。「これを公表するとパニックになりますから」といって、どっかの役人とかが机の奥とかにしまっているのかもしれない。金庫の奥深くで眠っているのかもしれない。 こういうことを、隠ぺいという。 隠ぺいの恐ろしさは、ばれたときに大騒ぎになるってことだ。下手をすると咎は組織全体に及びかねない。リスクが高いのだ。 「正確な情報を出したくない。かといって隠ぺいもしたくない」 どうしたらいいのか? 答えは簡単。 「情報を集めない」ってことであります。情報がなければ発表すべきことはない。だから隠ぺいしたことにはならない。東京都の各区の累積放射線量だって(もしかすると測定しているかもしれませんが)、測っていなければゼロである。 情報としては、ね。 しかし、ここで大間違いをしてはいけないのだけれども、「情報がない」ってことは「事実がない」ってこととは違う。この恐ろしさを噛みしめなくてはならない。 もうひとつ。 県内のある下請け会社社長は「このままでは福島の作業員が大量に失業する可能性がある」とも懸念する。 さらりと書かれたこの文章が記事の締めである。ものすごい違和感を感じませんか? 僕はこの記事を国民の健康を危惧する文章として読み始めた。でも、最後は失業、つまり「金」の話である。 復興復興とかっていうけれども、その陰でどんどん人々の健康が害されているのではないのか? 力の大きなものの声が大きくなるのは当たり前のことである。マスメディアを見ていると、原発関連の情報が少ない一方、復興復興ばかりである。いろんな組合が東電やら政府やらを相手どって申し入れをしている場面が報道される。それはそれでよい。まっとうなことである。 国会を見ていても、復興の話ばかりである。 たしかに大事ですね、復興。銭金がないと暮らしていけないさ。 しかし、復興復興風評被害撲滅みたいな業界、国あげてのキャぺーンの陰で、もっと大事な情報が出されていないんじゃないのか? いくら仕事があったって、内部被ばくして健康を害しちゃあしょうがないだろう。でも、それをいったら原発で作業をする人がいなくなる。そうするといつまでも「復興」できないって理屈なんだろうけどさ。
by 42_195km
| 2011-05-21 10:22
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