「流跡」(朝吹真理子)
川辺で働く若い男を描いた前半はすごい。麻薬的な魅力にあふれてる。これはもう美術ですね。美術でしかないのでは?っていうつっこみもあるかもしれないけれども。
★★★★
「きことわ」(朝吹真理子)
時間と記憶と現実と非現実がぐっちゃりねじれてます。蜂飼耳がほめているようだが、僕はむしろ彼女に芥川賞をとってほしかった。蜂飼耳、最近書いていないようだが、どうしてるのだろう? 「転身」がこけたからなあ。しかし、朝吹真理子はいったいどのような幼少時代を過ごしたのだろうか? 貴族?(笑)百足を殺す場面に戦慄。これだから山はなあ。★★★★
「正弦曲線」(堀江敏幸)
「告白するとサインの記号をsinと記すたびに、私は括弧をしてそこに楷書で正弦と書き加えていたのである」とかって書いてあるけれどもなあ。本当かよ? 最近の堀江敏幸はキャラ化が激しいですね。「雪沼とその周辺」や「河岸忘日抄」のころは夢中で読んだ。とりあえず★★