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tocana(2014年7月25日09時00分)より転載
昨年の富士山の世界遺産登録や東京五輪決定のニュースは、2011年の東日本大震災が残したあまりにも大きすぎる課題に苦慮する日本社会の懸念を、一時期完全に拭い去ったかのような明るいムードをもたらした。 しかし現在、この瞬間にも福島第一原子力発電所事故の収束、廃炉に向けた作業が続けられていることも厳然たる事実であり、その終結が遥か先のように思えるのも否めないだろう。また、今年5月には「ビッグコミックスピリッツ」の人気連載漫画『美味しんぼ』の登場人物が劇中で原発事故後の福島県を取材し、その滞在の間に"鼻血"を流す描写(4月28日発売号掲載『美味しんぼ 604話』)が問題になり大きな議論を巻き起こした。 今なお決して無視することができない原発事故の数々の影響が指摘される中、これまで東京で医療に従事していた1人の医師がこの春、岡山県に移り住み医院を再開した。医師の主張は「できれば東日本から移住していただきたい」というショッキングなメッセージである。 ■東京は、もはや住み続ける場所ではない 東京都・小平市で父親の代から50年以上にもわたって地元の人々の医療に貢献してきた「三田医院」の三田茂院長は、今年3月にいったん小平市の医院を閉じ、4月に移住先の岡山県・岡山市で医院を開業して医療活動を再開した。この三田医師の決断は海外でも報じられ、北米を拠点にした情報サイト「VICE」や、エネルギー関連情報サイト「ENENews」などが、三田医師の主張を英語で紹介している。 「ENENews」の記事によれば、三田医師はここ1~2年の間に東京で劇的に放射能汚染が進行していると語っている。東京の各所で滞留した放射性物質が濃縮されて汚染は進行し、「東京は、もはや住み続ける場所ではない」という衝撃の発言が記されているのだ。特に東京の東部地域は深刻であるという。 「残念なことに、東京都民は被災地を哀れむ立場にはありません。なぜなら、都民も同じく事故の犠牲者なのです。対処できる時間は、もうわずかしか残されていません」(三田医師) ■東京の子供たちの白血球が減少している 三田医師は2011年の原発事故以降、子供たちの血液検査結果を分析してきたということだが、昨年の半ば頃から子供たちの血液中の白血球、特に好中球が著しく減少してきていることを示唆している。白血球、好中球は共に人体の免疫機能を司る重要な血液細胞で、その減少は免疫力の低下を招く。当時の小平の病院を訪れた患者の症状は、鼻血、抜け毛、倦怠感、内出血、血尿、皮膚の炎症などがあり、ぜんそくや鼻炎、リウマチ性多発筋痛を患う患者も明らかに増えたという。 これらの症状を完治させることはできないと三田医師は率直に語る一方、移住や転地療養で実際に多くの患者が回復している事実を強く指摘している。「VICE」のインタビュー記事によれば、重症だった乳幼児が家族共々九州に引っ越した後に急激に病状が回復したという例や、他にも大阪、京都、四国などに生活を移した患者の症状も確実に改善しつつあることに触れている。 症状を根本的に治すには、東京を含めた東日本から離れることが一番の治療法なのか? そして三田医師本人が、今回の岡山への移住を決断し身をもって東京を離れる重要性を体現しているのだ。 「東京の人々がより安全な場所に移ってくれることを願っています。少なくとも1年のうち1カ月でも2カ月でもいいので東京を離れることを強くお勧めします」(三田医師) ■海外の反応と東日本の将来 「E News」や「VICE」の記事の読者コメント欄には、三田医師の発言についての外国人からの様々な反応が記されている。 「医学的な検証はどうであれ、子供たちのためを考えれば不安を避けて(東京を離れて)暮らすのは当然だろう」と三田医師を支持する意見もあれば、「ばかげている。他の専門家や医師に彼(三田医師)の主張をどう思うか聞いてみたらいい」と反対する意見もある。 また中には「核戦争後の世界を描いた優れたマンガやアニメが多い日本でこんなことになってしまったのは残念だ」という感想や、輸入された日本の食品に懸念を抱いているという書き込みも見られる。昨年末には日本の「和食」が世界無形文化遺産に登録されたものの、皮肉にも日本産の食品の安全性については海外の目も厳しいようだ。 しかしその一方、ここ数年の訪日外国人数は軒並み過去最高を超え、今年6月には群馬県の富岡製糸場が世界遺産に登録されてますます追い風が吹く中、今後もしばらくは訪日外国人数は上昇を続けると見込まれている。この「日本ブーム」は果たして2020年の東京五輪まで続くのだろうか。旅行先を日本に選んだ理由が「将来行けなくなるかも知れないから......」という動機でないことを切に願いたいものである。 (文=仲田しんじ) さて、映画。 「ベリッシマ」(1951年 ルキノ・ビスコンティ)、どうしてこの時代のイタリア映画の登場人物たちは叫ぶのか! 怒鳴るのか!(笑) その圧倒的な罵声エネルギーにやられてしまった。★★ 「テルマエ・ロマエ」(2014年 武内英樹)はゴミ。どうしてこんな糞テレビドラマみたいなものが映画として流通し、ヒットするのか不明。日本人の馬鹿ぶり一直線。5分でやめる。★ 「献身」(1961年 田中重雄)はなんといっても叶順子がいい! 若尾文子と同世代だそうだが、目の病気で若くして引退したらしい。実に残念である。新藤兼人もこんな作品書いていたんだ。シニカルなラストがよろしい。この時代の映画は家具やファッションを見ているだけでも楽しい。★★★ 「一人息子」(1936年 小津安二郎)、本当に小津は昔から小津だったのだとあきれる。★★★
by 42_195km
| 2014-07-25 12:48
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